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【健康管理】避妊手術のメリットとデメリット

4回目の発情の記録 沙笛の避妊手術 避妊の適期(日程)

2006年10月17日 今回、膣炎で非常に心配した。
毎年毎年発情の度に、こんな心配するの、耐えられない!!
少しでも病気のリスクを減らしたいという考え方が身に染みて。。。子宮と卵巣の摘出手術を考えた。
で、ネットを調べたり、獣医さんに伺った結果を纏めてみた。


< 避妊手術のメリット >
1.< 子宮蓄膿症の予防 >
発見の遅れやすい閉塞型子宮蓄膿症も避けられる。
膣炎に掛かりやすい子は子宮蓄膿症に掛かる確立が高いらしい。

2.< 子宮癌・卵巣癌の予防 >
子宮と卵巣を半端に残すような獣医でなく、完全にちゃんと取れる獣医に委託した場合、 子宮癌と卵巣癌にはなりようがない。モノが無くなるのだから。
但し、癌が出来やすい体質が出来にくくなるわけではない。

3.< 乳癌の予防 >
獣医さん談:「2回目の発情までに避妊すれば乳腺癌になる可能性が低くなり、後になるほど、乳腺腫瘍になる確率は上がります。
が、全ての犬が乳癌になるわけではありませんし、乳腺は外から判りますから、 早期発見も不可能では無く、腫瘍が出来た後に取って、元気に一生を終える子もいます。 ただ、偽妊娠する子に発生率が多く、偏見かも知れませんが、シェルティは乳腺腫瘍になりやすい感じがします。」

2歳半以降の避妊手術は、乳癌の予防効果なしとの説も有り、 また、避妊した時期が、癌発症より年数経過している程、生存年数が1〜2年延びるとの説も有る。
4.< 体毛が伸びる >
発情の負荷がなくなる為、体毛がふさふさになる場合が有る。


< 避妊手術の適期 >

獣医さん談:「避妊手術は、発情が終わったらいつでも出来るのですが、 発情開始から2ヶ月後(陰部の腫れが引いてから1ヶ月後)がベストです。 子宮が伸びますので、引っ張らなくても簡単に取れるんです。
が、今から2ヶ月後というと、年末年始に掛かって。。。心配するでしょ!?」

「年末だろうが年始だろうが、充分に余裕を見てスケジュールを組んでますので、焦った手術はしません。」

ややこしいから次回に、とすると、もしかしたら夏?
「ワンコが暑いと思われるからか、夏場の手術は避ける方が多いですね。」
更に、4〜5月と9月は、発作が多い月。。。

< 避妊しない場合のリスク対策 >

獣医さん談:「乳腺腫瘍は、発情後期に乳首回りが腫れる等、外から見て判ります。
子宮蓄膿症は、発情後期の症状(食欲不振、腹部の腫れ、水を異常に飲む、発情1ヶ月後の白血球検査、 また解放性の場合は陰部から出る膿、など)で判ります。
17歳で、子宮に出来た腫瘍がずれ落ちてきて外部に出た為、手術したことも有りますが、 それから2年後の19歳まで生きましたし。
子宮癌・卵巣癌については。。。現在の犬用腫瘍マーカーを信頼していません。一応会員にはなってますけど。」

< 避妊手術のデメリット >

< 手術そのもののリスク >

病院、及び獣医さんは、近隣14病院から選びに選んだ。
手術時、心電図、酸素濃度測定器、等のモニターを付け、専門に監視する獣医さん、看護婦さんが居ることも確認した。

「だけど、怖い!もしも死んだら?」と聞くと、
「確かに色々な体質があり、リスクがゼロとは言い切れませんので、承諾書にサインして頂きます。
でも、15年間沢山の手術をしましたが、手術で死んだ子はいないんです。 その後亡くなった子はいますが、イチかバチかの手術をして、結局助けられなかった場合です。
まして健康な子の避妊手術で、死なせた子はいません。 場所も状態も判ってる手術ですし、それで死なせてたら私たち、やっていけないですよ。
まぁ、避妊手術で亡くなった子のことをネットなどで見ますが、よくよく馬鹿なことをしたか、 特異体質だったか、単なる噂としか思えないんです。」

< テンカン発作の有る子への麻酔 >

「麻酔がご心配なのでしょうけど、テンカンに良い薬を使うことが出来ます。 ので、一時的にせよ良くなったことは有っても、悪くなったことはありません。 肝臓とかが悪いと難しいですけど、真愛珠ちゃんは問題ないですし。」

< 獣医の腕に関係ない避妊・去勢手術の留意点 >

1.< 子供が造れなくなる >
後で欲しくなっても、戻せない。

2.< ドッグショーの出場資格を失う >
ドッグショーは繁殖する犬を評価する場なので、避妊・去勢手術をした子は出場対象外。

3.< 肥満 >
「圧倒的に、肥える犬が多いです。飼い主さんはご飯を減らしてると仰いますが、現実問題として、肥える場合が非常に多いです。」
対策:避妊すると、卵巣や子宮の消費カロリー(15〜30%)が不要になる為、その分の食事を減らすか、運動をさせる。

4.< 頻尿 >
「尿管を巻き込んだり、神経を損傷させることは、通常有りませんが、膀胱は子宮の側に有り、 子宮を引っ張って除去せざるを得ない時期に、糸で括った場所が縮んで膀胱に当たって炎症を起こしたり、 癒着して、頻尿が発生する場合が有ります。しかしこれは、大体10日以内に落ち着きます。」

5.< 失禁 >
「術後何年か経ってから、エストロゲン性尿疾患を起こす犬が居ますが、確率は、ウチの病院では、4%無いと思います。 また、起こっても、1回のホルモン治療で治る場合が多いです。」

失禁について、ネットでも調べたら、20kg以上の犬が高確率らしい。
また、手術との直接関連より神経解剖学的に色々なことが絡むようだが、統計的に、 避妊手術をした犬の4%、未避妊の犬の0.3%がエストロゲン性尿疾患を起こすという違いから、 全くの無関係では無いだろうとのこと。
https://www5a.biglobe.ne.jp/~wantail/funin/funin2.htm

6.< 性格の悪化 >
体の痛みや、違和感から来る不安やイライラ。
性欲が無くなった分、意識が向かう食欲に対する執着。
避妊の為の入院が、初めての一人だけの外泊の場合や、スタッフの対応による精神的な影響。

避妊手術の時期が、発情によってホルモンバランスが崩れている時だと、性格が変わる場合が有るらしい?
早い時期から優位性攻撃性が問題になっているメス犬は、避妊手術によって悪化する場合が有るらしい。

7.< ホルモン異常による弊害 >
若すぎる年齢での卵巣摘出は、骨の形成に良くないらしい。
人間女性の閉経後に多い骨粗鬆症と同じとか。
ただ、骨格が形成し終わった後なら、対策も有るかも?

8.< 体質 >
避妊手術の為に、お腹の毛を剃ることが必須。
その後、剃った毛が伸びない子が希に居るらしい。

9.< その他 >
外陰部が小さくなる。
陰部、胸、腹部の毛が薄くなる。
オスはオスらしさが、メスはメスらしさが無くなるらしい?
後日談:まだ1年だからか、2頭共に、メスらしさは失われていない。
コートの毛足が長くなることが有る。時に毛質がボアボアになる場合も有るらしい?
後日談:ベティ2世の毛が目立って伸びた。真愛珠は変化なし。沙笛は長い。3頭共に毛並みは綺麗。

10.< 手術前後の注意事項 >
・手術当日は終日絶食。飲水は可能。
・内蔵に麻酔の影響が残っているときは、喉に食べ物を詰まらせる可能性が有る為、一気に食べないよう、少しずつ与える。
・自分で傷口を舐めたり、糸を引っ張らないように、エリザベス・カラーなどをして事故を防ぐ。
・同居の犬やその他、もっとも注意が必要な時期は術後3日。その間、入院し続けることは可能だが、家に居る方が回復が早い。
・術後3日位は、排便時に悲鳴を上げる子も居るらしい?排泄時の悪印象を残さないように工夫が必要。
・手術の為に毛剃りをしているので、冬場のアンカなどでヤケドしないように注意。


< 避妊した子としてない子の統計 >
< 関係する病気の確率 >

TOP死亡原因 癌
シェルティが癌で死亡する確率 26%以下
シェルティに多い腫瘍 鼻腔内腫瘍

避妊していないメス犬の乳腺腫瘍発症率 O.2%(500頭に1頭)
避妊したメスの乳腺腫瘍発症率
初回発情前の避妊  0.001%(100,000頭に1頭)
2回目発情前の避妊 0.017%(6,000頭に1頭)
それ以降      0.05%(2,000頭に1頭)


子宮蓄膿症発症率 15%

< 若さの比較 >

避妊手術した子と未避妊の子とどっちが若さ(元気さ・活発さ)を保てるか?長生きするか、 獣医さんから見る見解を伺った。

「犬種にもよりますし、一概に言えません。年齢は行ってるのに溌剌としてる子、 まだ若いのに年寄りみたいに老けてる子、色々です。
ただ言えることは、同じ飼い主の元で一生を終える子の方が長生きなようです。 また、長生きな子が居る飼い主の子は皆、長生きな場合が多いようです。 色々なことが原因するのでしょうが、『お宅の子は皆、長生きですねぇ!』という方や、すぐ居なくなる方や、 傾向は有るようです。

で、ウチの子は生後7ヶ月で避妊済みの7歳ですが、仔犬のようです。 ただ、『ウチの子は若い』と思ってる方は多いようです。」

そのワンに会った。フサフサとした白いワン。確かに7歳というより。。。4歳くらいにも見える。 毛が焼けているから仔犬には見えないが、キビキビとした動作で、目も輝いていた。

最後に先生は、
「避妊手術は慣れた手術なのですが、非常に心配なさってるのがヒシヒシと感じられ、緊張します。。。 真愛珠ちゃんは、**さんに取って大事な家族。勿論、私たちに取っても大事な子です。 ゆっくり考えて、充分に納得してから、お決め下さい。 『やっちゃえ』なんて決め方は呉々も、しないで下さいね。」と付け加えられた。


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