マイツールは日本人のソフト

漢字入力

長谷川さんがPIPSをやっていた頃のPIPSは、まだ漢字の表示が出来ない頃でした。 マイツールスタートした頃の漢字PIPSになって、漢字が可能になりました。

マイツールを開発している時、「日本人が使うのだから、漢字くらいは可能じゃなくてはダメだ。それも1文字ずつ選択するのでなく熟語で入力くらいしたいよ。」 と長谷川さんは言ってました。

その頃のSP200のOSに付いている漢字入力は、単漢字変換しか出来なくて1文字づつ入力するものでした。 一方アプリソフトとして付けていた日立の日本語WPは、OSの漢字入力を使わず熟語入力が可能になっていました。 そこで、その部分を使うようにしようというので日立に協力を求め、日本語入力部分の開発をお願いしました。
その頃の担当者が、今は日立のパソコンソフト部隊の責任者になっています。 時々会って、いろいろ情報交換してますけどね。

ED 発売数日前に完成

いろいろ我々が要求を出してやってもらったのですが、だんだんと要求が増えてきて、今のEDマイツールのワープロ・コマンドのようになったわけです。
最初はあれほどの機能は考えてなく、ただ漢字が熟語で入力出来ればいいや、くらいしか考えてなかったのです。
マイツール初版のマニュアルのED部分は、出来る機能のほとんどが書かれてなく、単に熟語の入力の仕方くらいしか載ってません。 その理由は、発売から逆算してのマニュアルの納期時点で、まだ最終の機能も固まってなく、 これもいれよう、あれもやりたいなどと言ってたのですから。
ED部分のソフトの最終が出来たのは、発売のほんの数日前でした。

混在/漢字 2つのモードが出来た理由

マイツールは日本人のソフトなのだから漢字を基本にというのは長谷川さんの主張で、だから最初は混在モード全角文字と半角文字が混在するモードなどというのはありませんでした。

そのころのプリンタは、半角文字3文字の幅で全角文字2文字が印刷されるのが一般的でしたので、表示に半角文字使うと,印刷した時画面と見えかたが違ってしまうわけです。
画面では、半角文字4文字が全角文字2文字に相当しますから。
そこで漢字モード全角文字のみのモードだけにすれば、表示と印刷も同じになり見た目も綺麗なわけです。 でも私などは、表が主流なのだから、数字は半角にして見られる文字数を多くした方が良いと言って、結局モードを二つ作ったのです。

コンピュータ論理を押しつけない

プログラム的には、モードを二つ作ったのはマイツールの内部の構造を複雑にしている原因にもなったのですけれど。
実際、全角でも半角でも数字は数字として計算するなどというソフトは、今でもないだろうと思います。

これも、使う人には同じ数字なのに意味が違うなどと、コンピュータ側の論理を押し付けないようにという考えだからです。
「作るプログラマが難しさを克服して開発するのは当然ではないか、プロなんだから」 というのは長谷川さんや荒川さんが常に言っていた事でした。

1画面に見える文字を多くしたいというのは、ハードに対する要求でもありました。

後日、日立が17インチのディスプレイのSP350を提案してきた時、画面が大きくなっても表示文字数は変わらず、1文字の表示ドット数が多くなり見た目に綺麗というのでしたが、表示文字数を多くしてくれと要求したのです。
どこの会社のハードでもそんなことは考えてなく、汎用にならない分、価格は高くなると日立も難色を示したのですが、そのとおりにして貰いました。

これが後に次のハードを作る時、マイツール専用機として名前もマイツールとするというコンセプトの基になりました。

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